ブラック企業の特徴と脱出
ここ数年で社会問題にもなった「ブラック企業」ですが、そもそも25年くらい前の日本はそんな会社しかなく、15年くらい前でもそんな言葉存在してなかった気がします。今やほとんどの日本人が知っている言葉になりましたね。
ちなみに厚生労働省のウェブサイトには「ブラック企業」についてこんな記載があります。
厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。(「ブラック企業」ってどんな会社なの?|確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト|厚生労働省 より引用)
2012年からはブラック企業大賞企画委員会が主催する、いわゆる問題視されている企業・団体のナンバーワンを決めるイベント「ブラック企業大賞」も行われるようになり、メディアからも認知されるようになりました。
僕も新卒で入った会社が、見事なまでにブラック企業でした。某個別指導学習塾チェーン店でしたけど、これが楽しいくらい真っ黒な会社でした。ブラック企業の怖いところは、そこにいるその時にはそこがブラックだって気付かないことじゃないかと思います。「おかしいな?」とか「ちょっと変だな」と思わなかったり、思っても「まあこんなもんなのか」とか、「自分の社会経験が少ないからそう思ったんだろう」なんて感じながら毎日を過ごし… 気づいた時には真っ黒です。特に塾・予備校・専門学校などの「教育サービス業界」や、学校現場ではブラック企業の思想が「やりがい」のもとに美化されていく現実もあります。(やりがい搾取っていうみたいですね。)先生や教室スタッフが生徒のために…と思う気持ちが会社に利用されていく姿を何度も見てきました。。
ちなみに私のいた職場では…連日長時間の超過勤務が続き、突然出社不能になる社員や行方不明になる社員が相次ぎまして…労基もその情報を嗅ぎつけたとかで…さすがにこれはまずいと思った上層部、なんと各拠点に「設定時間で電源落とすタイマー」を設置。ブレーカーのところに鍵付きのボックスがつけられて、23時になると自動的にブレーカーが落ちる設定になってました。(鍵は部長管理でしたね、確か)
大迷惑な話ですよ…データ保存できずに強制終了されちゃうし、留守電やら何やらもう各拠点てんやわんや。
そしたらですね、直属の上司が金鋸を持ってきて
鍵を破壊し
タイマーを動かなくしてから、、、ボックスをもとに戻しました 笑
なんと言いましょうか…タイマー付けるって発想もブラックだし、破壊工作しちゃうのもブラックだし。そして、その時「あ、なるほど!」とか思ってた自分に大きな声で言いたい。
…おばかさんだぞ!
そんなことはさておき、自分の会社がブラック企業かもしれないと思ったら、まず冷静に証拠集めをすることがお勧めです。(あ、もちろん逃げた方がいい場合もありますよ。この記事参照)あとになって何を請求するためにも、客観的な証拠が必要になります。長時間労働であれば、出勤退勤の時間をきちんとメモに残すのはかなり有効です。職場の近くのコンビニで買い物をしたレシートや、LINEメッセージを送受信した時間なども役に立つ場合があります。証拠がないと労働基準監督署(労基)は捜査を始めませんし、残念ながら人手も限られていますのでそれほどスピード感のある処理は期待できないのが現状です。逆にいえば、はっきりとした労働基準法違反の証拠を掴んで労基に相談し、労基側が「これは事件化できる案件だ」とみなせば、積極的に指導勧告が入ることになります。
そして、労基に相談する上で注意すべきことがもう一つ。
労働基準監督署はあくまで労働基準法違反に対して対応する組織です。
●賃金に関する相談(残業代未払い・賃金の未払い・有給取得ができない、など)
●労働環境に関する相談(強制的な労働・36協定なしの長時間労働・休憩時間が取れない、など)
●違法な解雇に関する相談(思想や性別に基づく差別的な解雇・辞めさせてくれない・退職違約金を請求された、など)
上記のような問題は、労働基準法違反になるので対応できますが…
○セクシュアル・ハラスメント(セクハラ)を受けた
○パワー・ハラスメント(パワハラ)を受けた
○(不当に思える)配置変更や異動があった
このような案件は、労基本体で取り扱うことができません。労働基準監督署内に設置されている「総合労働相談コーナー」で相談をすることはできますが、あくまで「相談と助言」の範囲です。基本的には会社内での解決を促し、それができないようであれば第三者機関による解決を勧めるという方法をとっています。さらに、各都道府県は労働相談の窓口を設けています。そういった公的機関を活用しながら、ベストな方法を探っていくことになるでしょう。場合によっては労働問題に強い弁護士に相談することも大切です。
ということで、脱出の第一歩は「証拠集め」これに限ります。そして、自分の集めた証拠次第で相談先が変わることを覚えておいてくださいね。
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