プロになるために転職する。

2020年10月21日

「プロ」…というと、あなたはどんなことを思い浮かべますか?
やっぱり「プロスポーツ選手」が一番最初に思い浮かぶ方が多いでしょうか。

では、あなたはプロですか?
こう聞かれると、ほとんどの方は「いいえ」と即答します。

本当にそうでしょうか?
プロという言葉を辞書で見てみると、「専門家・本職」という名詞の意味と、形容動詞の「職業的、専門的である様子」という説明が出てきます。簡単に言ってしまえば、職業として(つまりそれでお金をもらって)専門の仕事をしている人=プロ、ということになりますね。

「そうは言っても別に専門的な仕事をしているわけじゃないし…」そう思いますよね、わかります。

でも、ちょっと考えてみてください。どんな仕事にも「その仕事をしてみないとわからないこと」は存在しますよね。ファストフードのバイトだって、お客さんとして店に行くだけではわからないことがたくさんあります。そして、「誰にでもできそうなこと」であったとしても、仕事のコツやこなし方は人それぞれです。道具の配置や作業の手順の標準はあったとしても、自分なりの効率化を図っていったり、工夫をしていくことで「あなたにしかわからないノウハウ」が蓄積されていくんです。そしてそれが相手のためになったり、相手が喜んでくれることにつながっていく…

はい、この時点であなたは立派な「プロ」です。そのことをぜひ覚えておいてください。

じゃあ、「プロになるために転職する」とはどんな意味なんでしょうか?

実は世の中、プロになることを認めてくれない会社が存在しています。
つまり、「自分なりの工夫や効率化を一切許さない」ような会社です。

実例ですが、電話の応対マニュアルが一字一句決まっている会社がありました。そう、「一字一句」です。もちろん、マニュアルには意味があり誤解を招かないように決められている文言があります。でも、それだけでなく少しでも違うと許されません。すぐにSVが飛んでくるんです。


ある時、お客様からの電話がかかって来ました。応対したスタッフは、お客さんにマニュアル通り「お承りできかねます」と応答しました。実は、そのお客様は外国の方でした。日本語でのやりとりはできるのですが、少し難しくなると意味がはっきりわかりません。意味が通じていないことを察したスタッフは「申し訳ないのですが、できません」と言い直し、お客様も納得して電話をお切りになりました。ですがその後、お察しの通り上司に理不尽な説教を受けたようです。

もちろん、日本語の電話応対として「お承りできかねます」は正しい対応と言えます。一般的な日本人のお客様は、その応対を快く感じ理解するからです。なので、マニュアルに載せられているのも当然と言えば当然でしょう。でも、その応対の目的は「相手に不快感を与えない」ためです。もし、それをわかってもらえなかったらどうするか、大切なスキルは「相手のためを考えて行動する」ことに違いありません。お客様の満足増すためにできる工夫をあえて許さない会社、これが「プロになることを認めてくれない会社」なのです。


誤解しないでいただきたいのは、マニュアルや作業標準が全て悪いと言っているわけではありません。むしろ、品質や基準を保つために絶対に必要ですし、会社の利益を守るためにも従業員一人一人の裁量範囲に限界が決められているのは当然です。しかし、その目的は顧客の満足や品質の維持のためであって、それを超えてしまっては本末転倒です。そして、このような企業の中ではいつまでも社員が成長しません。相手のために何ができるかを考えることを会社が拒んでいるのですから、社員ひとりひとりが何を考えても意味がありません。そうなると、当然スタッフは考えることをしなくなり、無気力に乾燥した仕事をただ片付けていくようになります。往々にしてブラック企業に多い状態ではありますが、残念ながら意外といわゆる「安定している」企業でもこうした状況は見られています。

仕事のやりがいや目的意識は人それぞれですが、環境によっても大きく左右されます。だからこそ、
ロになれる職場」=自分のスキルや考え方を広げてくれる職場への転職を考えてみるのも良いことだと思うのです。

今日のまとめ…行動の目的を考えて、自分から動ける職場環境が大事!